♪クローズ・ユア・アイズ♪

2000年クリスマスツアー。新作。
劇団の役者27人中、20もの人が出演。おぉぉ。

STORY

1923年12月。フランス・マルセイユから日本へ向う船の上。
あと数時間で横浜に到着という明け方、肺炎を患っていた香取武三は、親友の長塚仁太郎が
看病疲れでうとうとしている間に息を引取った。
ところが、心臓が止まり、天使・プロキオンが武三の魂を抜き取って天に送ろうとした時
武三は起き上がる。
プロキオンは武三に「もう死んでいるんだから早く魂を渡せ」と言うのだが、
寝こんでいたことが嘘のように自由に動ける武三はそれを無視し、1年ぶりに日本に降り立つ。

武三がこうして絵画の勉強をしていたパリから東京へ戻って来たのは、
その年の9月に起きた関東大震災で行方不明になった恋人・幸代を探すためだった。
鳥取の実家へは帰らずに、1年前まで住んでいたいとこの医師・正岡寛治夫妻の四谷の家に身を寄せる武三。
しかし、寛治に診てもらうと、武三は脈もなく、瞳孔も散大して、死斑も出ている。どうみても「死体」だ。
「死体」がもつのはせいぜいあと2日ほど。
プロキオンにつきまとわれながら、その間、武三は必死に幸代の行方を探す。

一方、長塚仁太郎が日本の家へ帰って来たのは3年振りであった。
初めは法律の勉強をするためにロンドンに留学したのだが、2年で勝手に方向転換し、
小説家になるためにパリへ移り、そこで武三と知り合ったのだった。
法律学者で大学教授の父は、小説家になりたいと言う仁太郎に、勘当する!と怒鳴る。
更に、海軍に勤める仁太郎の弟・礼次郎は、年明けにロンドンに赴任が決まり
仁太郎の許婚だった琴江と結婚して連れて行くと言い出した。
久し振りに帰った家から飛び出す仁太郎・・・

00.12.21 サンシャイン劇場

STAFF

作・演出 成井豊 製作総指揮 加藤昌史
演出助手 真柴あずき 美術 キヤマ晃二
音楽監督 加藤昌史 音楽 河野圭、本田優一郎
照明 黒尾芳昭 音響 早川毅
振付 川崎悦子 <BEATNIK STUDIO>

CAST RED / GREEN

香取武三 岡田達也 プロキオン 菅野良一
正岡寛治 久松信美<客演> 正岡由紀子 坂口理恵
長塚仁太郎 大内厚雄 長塚操 岡田さつき
長塚礼次郎 南塚康弘 長塚謹吾 篠田剛
長塚米子 大森美紀子 中村恵子 森山典彦 成瀬優和 佐藤仁志
森山翠子 前田綾 島木茜 藤岡宏美 中村亮子
太田瑞穂 青山千洋 温井摩耶 石原琴江 岡内美喜子
芥川龍之介 細見大輔 シリウス 小川江利子
武三の母 中村恵子 大森美紀子 船医 佐藤仁志 成瀬優和
幸代の妹 中村亮子 藤岡宏美 幸代の友人 温井摩耶 青山千洋

ちなみに、私が観たのはREDチーム。

前説、加藤健一事務所の「ラン・フォー・ユア・ワイフ」を終えた西川(浩幸)氏がゲスト。
ラン・フォー〜のボビー役は網タイはいてゲイの役だったらしい。観たかった・・・。

ド頭のダンス。いつもキャラメルのダンスって変わってて面白いと思ってたけど、
みんな「ダンスするぞー」って衣装じゃなくて、フツウの服での群舞だから面白いんだ・・・
動きもいわゆるクラシックな「ダンス」って感じじゃないし。
どうやら全員白い服で踊ってたのは、“天使”だったらしい。

今回の話は、主人公 武三がイキナリ冒頭で死ぬ。
体は死んで、魂だけで生きて動きまわるという変な状況。
キャラメルに限らず一般的に映画とかでも、時間が区切られた中で見せる
エンターテイメントでは、物語の中でも時間に制限があって
「いつまでに○○をしないと×××になっちゃう、どうにかせねば!!」
という状況に主人公が追いこまれる、ということが多い。そこでドラマがうまれる訳だが。
今回のCYE
(close your eyes)では、“自分の体(死体)が腐って朽ちてゆく前に”
恋人の消息をつかまなければ、とか、友人の悩みをなんとかしなくちゃ、とか、
「本当に死ぬ」ための準備をしなくちゃ、
という珍しい設定で面白かった。時代設定も珍しいし。
しかも扱うテーマは「死」。重いテーマを重苦しくなく でも軽くなく。
それは脚本そのものに加え、岡達
(岡田達也)が担っているところが大きいと思う。
ラストシーンはええのぅ・・・。

大内厚雄。華やかさのある役者じゃないけど、情に厚く、弱さも正直に見せてしまう
人間くさい男を好演。
前田綾、もうその存在自体が好き(^^)
狂言まわしで結構出っぱなしの菅野氏。でもちゃんとオイシイとこのある役。
なんというか、あの役はきっと他の人じゃできなかっただろうという気が一番する役だったな。
一番オイシかったのは細見大輔かな。お約束で笑わせてくれるけど、カッコイイ役だもん。
びしっとしたセリフがあって。
少し出番の少ない役の中では藤岡宏美が・・・涼(妹)いわく「彼女はリアル。」
(注)
深刻な雰囲気がちょっと強かったかも。

突拍子もない現実離れした話だけど、細かいところもあまりこう違和感も感じなかった。
(MIRAGE
(2000年春)の時はちょっとザラザラした感じを覚えたけど、CYEは私の中に
わりとスムーズに流れて入ってきた。)

ちょっとインパクトは小さい作品だったかなー。涙も出なかったし。

注) 妹は知らないでそう発言したが、実は藤岡さんのお母さんがついこの間亡くなったんだそうで、
それもあるのかな・・・と私は思ったりした。震災で家がなくなり、山梨の親戚のところに身を寄せている家族と
別れて暮らしている女学生の役だったので・・・クリスマスに何が欲しいかと聞かれ、「家族に会いたい」と
答える女学生ちゃんのなんと健気なことよ・・・(涙)

 

ラスト、武三と母の(別れの)シーン、いきなり武三が鳥取弁になるの、あれはズルイよ!!
だって岡田達也、鳥取弁ネイティブなんだもん!そんなん聞かされたらみんな泣くだろ!
あざといなぁ〜(笑) でもその思う壺にはまって泣く、それが気持ちいいのよね〜・・・
って、私は泣かなかったけどなーっ(^^;
でも今までに観たキャラメル作品のなかでは、好きなほう上位に入る話でした。

この作品中で描かれるのがクリスマスのあるべき姿だなぁと思うのだ。
家族みんなで集まる、っていうのがね。

あと、チラシ・パンフのデザインがけっこう好きだったな。

 

おまけ。キャラメルボックス公式HPのネタバレ掲示板その他を読んでの徒然草。。。

その1.菅野良一の滑舌の悪さについて

これは相当厳しく批判されてたようだが、少なくとも私は「何言ってんだか解らんコイツ」と
思ったところは無かった。
私が観たのが、もうクリスマスツアーも終盤で、噛む回数なんかも大分減ってきてたんだろうし、
1F15列22番というかなり観やすい席だったということも関係してるのだろう。
しかし、確かに彼は滑舌悪いっす。マイクを使わず生の声で舞台に立つ役者としては、マズイよねそれって。
特に今回彼は狂言まわしだったので、客がストーリー追えなくなるほど滑舌悪かったのだとしたら致命的。
背が小さくて顔が童顔で可愛い、ってことだけでは、今後、もたない。このヒト。
役者と研究者(北大で虫の研究をしてるらしい)の2足のわらじという生きかたにも興味あるので、
是非 根性見せてくれ。

その2.登場人物が多すぎ・不要キャラ・エピソードがある。という意見について

そういう意見がどうも多かったらしいのだが、少なくとも私は「要らない」と
思ったところは無かった。確かに登場人物は多めで、各人物にそれぞれストーリーがあるのだけれど
割ときれいにまとめていたと思うし。
(まぁ、無理矢理収束させてると感じた人もいるに違いない。)

実際の人生って、いろんな人の人生が交錯しているもんじゃない?
舞台作品とか小説とかは、主人公の気持ちに集中し、本筋以外のところを切ってすっきりしているものが
良い場合もあるけど、この作品は現実離れした設定の中でそれぞれの登場人物のリアルな人生を
重ねてかさねて見せてるから厚みができて良いような気がするんだけど。

その3.情報過多で解りにくい。という意見について

キャラメルはすごーーーーーく解り易い方だけどなぁ。。。この作品も。
同じ舞台でも、蜷川幸雄とかのほうがもっと情報過多でワケわからなかったし(笑)

現代の若者は「解らない」ことに慣れてない、とも言われるしねぇ。
わからないことがあると、自分で調べないですぐ他人に聞いちゃう、とか。
本当は世の中なんて身のまわりじゅう解らないことでいっぱいなのにね。

私としては、たった2時間の舞台の世界、いっぱい詰まってたほうが面白いと思っちゃうけどな。
オタク気質かな(笑)

その4.キャラメルボックスのファンの中には盲目的に「キャラメルは良い」と思っている人が結構いる。という意見について

それは同感(笑) 劇団四季とかも同じ状況だと思うが。
そして、それってちょっとキモチワルイ。

あれ?でも私、キャラメルのこと誉めてばっかりかしら?いやぁん、キモチワル〜イ!!(笑)

 

おまけのおまけ。
マウスでぐりぐりお絵描きコーナー。

天使のプロキオンとシリウスはこ〜んな格好。背中に羽はなし。
プロキオンの着ているジャケットはとっても可愛いかたちだった。丸井で売ってるらしい。
シリウス(小川江利子)の可愛いことったら。表情が豊かで。


♪エトランゼ♪

2001年スプリングツアー・ダブルビジョン 1本目。新作。
真柴あずき脚本で、30女の“生きにくさ”を描く。
キャラメルボックスって、「愛と夢のファンタジー」だけではないのだ・・・。

STORY

ななえ は、小さなころから家族の中でもなんとなく違和感を感じて育ってきた。

彼女はカメラマン・檜原のもとで8年間アシスタントを務めていたが、
仲間の高柴、エミとともに檜原のスタジオを辞めて、3人で部屋を借りスタジオを構え、
独立して仕事を始めようとしていた。

そこへ、ななえの恋人・八木沢は長期出張先のブラジルから帰国してきた。
八木沢はプロポーズの返事を促すが、ななえは「今、仕事を捨てて結婚を選ぶことはできない」としか言えない。

また、ななえの元には高校生の姪・里奈と甥・開(ななえの姉・かずみの子供達)が転がり込んで来る。
父親が階段から落ちて骨折し入院して家が大変なので、春休みの間ななえのところで暮らすと言うのだ。
ななえは、里奈をスタジオのバイトとして手伝いをさせ、開に家事をさせるという条件をつけて姉弟を預かることにした。

ななえ達のスタジオは、なかなか波に乗らない。仕事が取れないのだ。
檜原のスタジオを喧嘩別れのような形で出てきたためだ。
懇意にしていた雑誌の編集者・小名浜さえも、泣く泣く仕事を断ってきた。
檜原はななえ達に仕事が回らないように業界に圧力をかけていた・・・

 

01.3.4 シアターアプル

STAFF

作・演出 真柴あずき+成井豊 製作総指揮 加藤昌史
演出助手 仲村和生 美術 キヤマ晃二
音楽監督 加藤昌史 音楽 村田昭 鶴来正基 本田優一郎 他
照明 黒尾芳昭 音響 早川毅
振付 川崎悦子 <BEATNIK STUDIO>

CAST

ななえ 坂口理恵 高柴 大内厚雄
エミ 小川江利子 小名浜 前田綾
檜原 近江谷太朗 八木沢 西川浩幸
里奈 岡内美喜子 藤岡宏美
かずみ 中村恵子 磐梯 青山千洋

え〜、この日はこの「エトランゼ」観劇の直前に、映画「ペイ・フォワード〜可能の王国」を見ました。
今回の日記は、「ペイ・フォワード」に関する記述から続けてどうぞ〜☆

文春(週刊文春 2001年2月15日号)の映画評であまり☆がついてなかったから
あんまり期待してなかったけど。
めちゃくちゃ感動するとかではなかったけど、いい話だなと思った。
映画評は
“底の浅い善行賛美に閉口”(中野翠) “独善の臭いに鼻をつまんだ”(芝山幹郎)
など、さんざん。ま、確かにね。でもいいじゃん。ファンタジーだよ。
(私の中での)“大好きな映画”にはならなかったけど。
☆2つあげてる割に
品田雄吉も“こういう映画が作られるほど不幸だとアメリカ人は思っているのだろうか”
なんて書いてる。
思ってるんだよ、きっと。アメリカ人は。アメリカ人だけじゃなく。
漠然と、不幸だ、とほぼ全ての人が感じている。感じてない人なんて、よーーっぽど幸せな
一握りの人間だけだと思う。だからこそ、希望が・・・

6時半ごろ映画館を出てシアターアプルへ。キャラメルボックス「エトランゼ」。
坂口理恵主演。小さい頃から家族の中とかでも居心地の悪さとか違和感とか、生きにくさを
感じてきた女性が、師匠のカメラマンから独立して新たな一歩を踏み出そうとする話。
そこへアル中の父に暴力を受けて家出してくる姪と甥、結婚を望むお人好しな恋人、などが
からんでくる。

大きな事件は起きず、大きなアクションもなく、淡々とすすむ。

直前にPIF(PAY IT FORWARD)を見たので、ちょっとダブる。アル中、親の暴力
(父親→娘と夫→妻の違いはあるけど)という細かい要素もだけど、登場人物がみんな
(程度の差はあるかもしれんが)痛みを感じているというか“生きにくさ”を感じている、というところ。
PIFは、こんな世の中でも人の善意はある
(かもしれん)というところに希望がある物語で、
エトランゼは、その場での自分の存在に違和感を感じていても、自分の力で道を切り開いて
生きてゆくという、人間の力強さに希望を見出す物語。
(PIFでもトレヴァー(ハーレイくん)が
行動を起こす力強さを持っているけど)

なんていうか、こういうザラザラした世界にも希望は、細くて小さくても、ある
ということを言ってくれる小説とか演劇とか映画とかって、良いんじゃないかと思う。
こういう作品が偽善的だと評されるのは当然だけど、偽善だとしても希望を描くことは
芸術の意義の一部だと思う。全てではないけど。

今回は、キャラメルの特徴であるファンタジーな部分(ユーレイとかロボットとか
超現実的なこととか)は、甥の開の「他人の感情が色彩として見える」という能力として
出てたけど、これ、無くても良かったんじゃないかなぁ〜〜。
確かに、ファンタジーはキャラメル作品に欠かせない要素なのかもしれないけど
今回に限っては無くても話は成り立っただろうし、無い方がスッキリしてて良かった。
PIFの方のファンタジー
(=善行が広がっていくこと)は、無いと話が成り立たない、というか、
それがこの作品で描かれる希望そのものだったのに対し、
エトランゼのファンタジーはその希望と直接関係のない要素だったし。

とにかく、春から新生活を独立して始めることになる女の私には痛い話だった。
私も頑張らないと、と思った。
しっかし、文字通り“痛い”芝居だった。
観終わった時はひどい頭痛がし
(劇場が人の熱でいっぱいだったからか?)
○○駅
(地元)に降りて寒い中ひとりで歩いてたら久々にすごく息苦しくなって吐きそうになり、
涙がにじんだ。耳の奥も痛くなった。んーーーー、痛い。

 

うわ〜。なんだか、観劇後の気分は最悪だった。どちらかと言えばポジティブなラストシーンにも関わらず。
あ、でもこの作品が嫌いだという意味ではなくて、むしろその逆・・・かな?
感動するとか、ハッピーになれるとか、元気になれる、とかではなく、
「私はこの作品の射程距離内にいる」って感じ。息苦しさと吐き気はその証拠。

ただ、ストーリーの中の問題があんまり解決してないまま終わるということや、
従来のキャラメル作品の走ったり叫んだりの芝居とは毛色もちがうってことで、嫌いだという人も多いだろうね。
私は、別に作中で結果や答えが出ないっていうのが、嫌いじゃない。

でも、何か変だなぁ、って感じるところはあったけどね。開の特殊能力の設定も含めて。
もうちょっと脚本、詰めることができるとこがあったんじゃないかなぁ。不自然なところ。

あ、役者のことに全く触れてなかったか。
ぶっきらぼうな高校生の男の子を演じた藤岡宏美、か、かわいい〜〜!男の子役が定着するか?

一番美味しかったのは、天才芸術家肌でわがままで大人気ないカメラマン・檜原を好演、近江谷太朗。
流石にカメラマンだけあって(?)物事の本質をちゃんと見ているけど、すご〜いイヤな男(笑)。でも憎み切れない。
キャラメルのお芝居には今まであんまりなかったキャラクターで面白かった。

それに引き換え、高柴という役の“美味しくなさ”は一体どういうこと?(笑)
大内厚雄、チラシの写真には坂口理恵と2人で写ってるから主役なのかな?と思ってたのに。
ま、新作って、内容が固まる前にチラシ作っちゃうからしょうがないけどね。
しかしこのチラシ、あおり文句も微妙に実際の内容と違う気がするし・・・なんだかなぁ。

あ、あとね、大内くん。細くてびっくりした。そんなに細かったっけ。大きなお世話か?(笑)


♪風を継ぐ者♪

2001年スプリングツアー・ダブルビジョン 2本目。96年作品の再演。
数あるキャラメルボックス作品の中でも傑作の誉れ高い(ホントか?)1本。
幕末の志士たちの熱い青春群像。

STORY

時は幕末。舞台は京の都。将軍警護のために結成された新撰組は、その信念のためなら
敵方・長州の志士を斬ることも厭わない。そのため京の町の人々からは壬生狼(みぶろ)と
呼ばれ、嫌われ恐れられていた。

ある日、剣は弱いが足はめっぽう速く、気性のまっすぐな男・立川迅助と、剣は強いが
どこか冷めている、学者肌の男・小金井兵庫が新撰組に入隊。
新撰組副長助勤・沖田総司が隊長を務める一番隊に配属となった。

そして、いわゆる「池田屋騒動」。京都の御所を焼き払おうという計画をたてるため
池田屋に集まっていた長州の志士たちを、新撰組が襲撃。
騒動の中、迅助はその足を使って伝令役として活躍。
しかし、迅助と兵庫は逃げた長州の志士を見逃した。

肺を患っていた沖田は池田屋事件の際、喀血。実は労咳(肺結核)なのだが、
周りに心配をかけまいと振舞う沖田。
迅助はそんな沖田を、叔父で医者である桃山鳩斎のもとへつれて行く。
そこで沖田は、鳩斎の娘で、医者でもある つぐみと出会う。

一方、池田屋事件で生き残った長州の宇部・小野田たちも動きはじめていた・・・

 

01.5.4 サンシャイン劇場 マチネ

STAFF

作・演出 成井豊+真柴あずき 製作総指揮 加藤昌史
音楽監督 加藤昌史 美術 キヤマ晃二
音楽 ZABADAK 照明 黒尾芳昭
音響 早川毅 殺陣 佐藤雅樹

CAST

立川迅助 細見大輔 小金井兵庫 岡田達也
沖田総司 菅野良一 土方歳三 大内厚雄
三鷹銀太夫  篠田剛 桃山鳩斎 西川浩幸
つぐみ 岡田さつき  たか子 大森美紀子
その 温井摩耶 美弥 坂口理恵
秋吉剣作 佐藤仁志 小野田鉄馬  畑中智行
宇部鋼四郎 首藤健祐(客演)    

*当初、美弥役は客演の田嶋ミラノだったが、病気で途中降板したため、坂口理恵に交代。

GW真っ只中。しかも晴れ。サンシャインでは「とっとこハム太郎」「おじゃる丸」
「バーバパパ」などなど色んなイベントがあるため、ものすごい人でごった返している。
うおぉぉぉぉ〜〜〜。お子様連れの波。そしていつものようにガラの悪い若者もたくさん。
とにかく人でいっぱいで、劇場にたどり着くのに一苦労だわ(^^;
母ちゃんに「お昼にお食べ」と持たされた茶巾寿司をどこかに座って食べようと思ったが
サンシャインの中のベンチというベンチはすべてお子様連れの人々に占領されており、
断念。劇場ロビーも人でごった返しており、自分らの席は1Fだというのに2階席の
一番上のロビー(廊下)までえんえんと階段を上り、茶巾寿司をすごい速さでモグモグ
食べる。ゲプッ。(しかも座れず。結局立ち食い・・・)

席は1F15列20番。ベストポジション。
いつものとおり、加藤P&新人ちゃん(女の子)の前説があり、通路の階段まで
びっちり客を入れて、10分押しぐらいで開演。

あまり事前にキャスト情報は仕入れないようにして見に行ったが、ふ〜む、そうくるか。
ま、菅野良一=沖田 は既に定番として。チラシに岡達
(岡田達也)が一人でガン
たれてるから(コワイ顔で)彼が走るのか と思ったら、走る迅助は細見大輔であった。
だってそーじゃん、この作品、主役は迅助で、岡達の兵庫は言ってみりゃ〜
狂言回しだもん。新撰組も長州側もみんな生き急いでる人ばっかり(?)の話の中で、
実際に“走る”ことでそれを体現するのが迅助なんだから、細見をチラシに一人で
使ってやれよオォォォ、と思うのが人情というもんでしょう。
ま、いいけど。

細見、あんなに細くガリガリの体で、よく頑張るよなー。いつもはどっちかというと
怪しい、変な人の役で、お約束のお笑いネタ担当だが、今回はまっすぐな迅助を
厭味なく演じている。走ってばっかりで、まっすぐする以外に余裕なさそうだが(笑)。
走らない岡達はその変わり日記読み(ナレーション)をやってるから
終盤になると声がちょっとツラそう。多少聞き取り辛くなる。(でもちょっとひねくれ者の
兵庫みたいな役は似合ってて良いのではなかろうか。うむ。)
しっかしそりゃきついわ。あれだけの激しい殺陣があるんだもんなぁ。
着物にカツラだし。1日2ステージとかやるのはきっと・・・きついねぇ。

意外に おぅ、良いじゃん!と思わせたのが佐藤仁志 as 秋吉剣作。
周り中、自分の確固たる強い信念を持った男たちばかりだから、
作中で一番揺れて苦悩しているのは実は剣作なんじゃないか、という気がするし、
そう思わせた、佐藤剣作。できれば(顔が似てて)本当に姉弟のような
田嶋ミラノ as 美弥との2人で見たかったが、残念。

ラストシーン、沖田総ちゃんは、笑っていた。笑ってたよ。
笑っていたーーーーーー!!!! じぃ〜〜〜ん・・・(涙)。
うぅーーー、菅野良一、ありがとう・・・。
(←意味不明)

 

ちょっとの史実といっぱいのフィクション(笑)の混ざり具合が絶妙で、面白い脚本だよな〜改めて。

しかし・・・熱い。熱いッス!!(暑苦しい、とも言える/笑) 
登場人物みなが命懸けで、それぞれが自分の信念にしたがって行動するために
ぶつかり合いが起きてしまうドラマなので、熱いことこの上ない。
でもねー、こういう暑苦しい芝居をやっちゃうところがキャラメルボックスの良いところ。

あ、熱いアツイといっても、爽やかなラストが気持ちいい芝居ですよ念のため。
同じキャラメルの幕末時代劇でも、「俺たちは志士じゃない」のラストよりこっちのラストの
方が100倍好きだ、私は。
ネタばらししちゃうけど、ラストシーンは、10年振りに兵庫と剣作が迅助に再会するところ。

兵庫「生きててよかったなぁ」
剣作「迅助さんですか?えぇ、ほんとにそうですね!」
兵庫「馬鹿!迅助だけじゃない、お前も、俺も、みんなが、だよ!」

というようなやりとり(ちょっと記憶あやふやだが)があるのだ。
このダイアログ、ここだけ読むとどう考えても、臭い!クサイ!!
しかし、ご存知のとおり、近藤勇は板橋で処刑、土方歳三は五稜郭の戦いで戦死、
沖田総司は労咳で25歳の若さで死去。つまりこの時点で新撰組の主だった面々は
とっくに死んでいる。だからこのクサいダイアログがすごく切実に響く。
暑苦しくても、それほどクサくはないのだ。むしろ爽快。

英語で “cool !!”っていうと、「カッコイイ」という意味だが、今の日本の世の中ってまさにソレ。
クールであることがカッコイイとされているというか。熱いのはちょっとカッコ悪い、というか。
でも、 命懸けで熱い人ってカッコいい、ってことを実はみんな、内心では思っている、というか
分かっているんでしょうね。だからこの作品が再演されて、これだけ客が入っているのだ。

そして、そんな熱い人って、身近にいっぱいいるモンじゃないから、余計、舞台の上で
幕末の志士やってる役者が、必死で板の上を走り、マイクを通さない声を客席に届ける
役者が、カッコ良く見えてしまうのだね。必要以上に(笑)。私、ホントにバカで単純だからさ。エヘヘ。

劇場から出たところで、学生風の男の子たちが2〜3人で、
「マジ、いいよ!アツイよ!!まず、コレ(「風を継ぐ者」)だろ、で、次は「TRUTH」やろーぜ!」
「オレたちが、風を継いじゃうぜ!」

みたいな話を興奮しながらしているのが聞こえた。
演劇部かな?学生劇団のコかな?頑張ってね。

そうそう、君たちが、「風を継ぐ者」。

こちらはマジに命懸けで風を継いでる人。渡辺多恵子女史。

 

あっ。それから、最後に。

大内土方!!カッコイイ〜!!まさに萌えよ剣」!!

・・・って、一応オチつけとかないと(笑)。ね。
(別にオチは必要ないだろーっ!?)