♪アイ・ラブ・坊っちゃん2000♪

作品についてはこちらを参照。

00.1.19 新国立劇場中劇場

STAFF

脚本・演出 ワームホールプロジェクト
音楽 船山基紀 振付 鎌田真由美
音楽監督 高田 浩 振付(日本舞踊) 尾上菊方
照明 塚本 悟 美術 高田一郎
衣装 八彩たま子 音響 半澤公一
衣装(シャム猫/とら猫) ひびのこづえ    

CAST

夏目漱石 浜畑賢吉 夏目鏡子 今津朋子
坊っちゃん 中村繁之 大方斐紗子
山嵐・正岡子規 佐藤伸行 マドンナ・雪江 渋谷玲子
赤シャツ・兄 園岡新太郎 野だいこ 三谷六九
女中・萩野夫人 伊東弘美 校長・父 治田敦
猫・子鈴 藤咲みどり 高浜虚子・漢学 五十嵐進
登世 浜崎真美 うらなり 高野絹也
少年 阿部義嗣 中学生 今泉鮎香
中学生 岩佐麻里子 江部珠代
筆子 大熊亜里紗 中学生 小笠原家光
赤シャツの弟 折井洋人 小使い 小関明久
芸者 白勢恵 中学生 須崎美穂
師範生 砂山康之 マドンナの母 橋本久美
体育 萩原弘雄 博学 森山大輔
吉次美紀子    

 

席は1階8列30番(オケピットがあるので実質4列目)。

ハッキリ言って期待してなかった。
reason No.1 坊っちゃんが・・・え?中村繁之・・・んー。
reason No.2 鏡子が今津朋子ちゃん・・・?どうだろう・・・合うかな〜。
reason No.3 「泣かないで’97」の出来が悪かった(と私は思っている)ので、今回もまた・・・。

しかし。いや〜、今回は良かったなー!今まで生では2回、ビデオでは何度も繰り返し
観ている作品だが、これだけ涙が流れたのはもしかすると初めてかもな。
もともとすごく良くできた脚本で、和製オリジナルミュージカルとしては最高傑作のひとつだが、
その良さを損なうことなく、役者陣も思ったより好演で、なんだか、ああ、あの
音楽座が帰って来た〜!って感じで、嬉しかった。

中村繁之。思ったとーり歌は下手くそ。しょーがないなぁ、もぅ(笑)。
ノブさん(山嵐)とのデュエットとかは、ノブさんが「歌の人」でないだけに、ちとツライ。
しかし、立ち居振舞いとspirit が坊っちゃんだー!(それが大切。)
さすがは元アイドル、
♪TAKE IT EASY ! の松山の街散策ドタバタのシーンでは、
連続バック転も披露して、元気もよろしい。(多分、もう公演終盤だからこなれてきてるんだろう。)

朋子ちゃん、歌い方とか、ちょっと土居さんに似てきたかなー(ま、鏡子が土居さんの当たり役
ってことで私が勝手にダブらせて見てるとこもあるが)。
でも、鏡子として自然でかわいらしかった。役作り、きっと苦労したろうな〜。
観ていて1番うれしかったのは彼女の成長っぷりかな。

玲ちゃんのマドンナ、今回も笑わせてくれた〜。好き。
山嵐&子規、ノブさん、やっぱりいいなぁ〜。彼がいないと、音楽座って感じがしない。
このミュージカルのmessage を持っているのは彼、体現者は彼、だもん。
それだけの器があるおじさんなんだもん。

おじさんといえば、五十嵐さん。いつもながら良い人そう(^^)。
赤シャツ園岡新太郎!あのルパン三世のようなもみあげがイヤラシサ倍増!
しかも、歌うまくてイヤラシサ更に倍!ぐー!
みどりちゃんの猫、今回は結構出番が多く、猫仲間も2匹増え、“CATS”状態・・・。
ダンスは相変わらずキレまくり!うまく舞台の潤滑油猫になってた。

今回、鏡子と登世は別々に演じられ、登世は浜崎真美さん。
(以前は土居裕子さんが鏡子と登世の2役だった。)
これは、朋子ちゃんに登世をやらせるよりずっといい選択だったと思う。
浜崎さんの落ち着いた歌声が、優しく母性を感じさせる登世にぴったり。

あと、実はmusic works の高野絹也さんのうらなり君、バッタ事件処分の職員会議のシーンで
ハンカチでおでこの汗をぱたぱた押さえる小心者っぷり演技がすごく可愛らしくて、
ハマった(笑)。

清の大方斐紗子さん。もー、清!可愛らしくてしょーがない、おばあちゃん!
坊っちゃんの松山への出発・別れのシーンとか、手紙(
♪坊っちゃんへの手紙)には泣かされた。

また、中学生たちの歌う「坊っちゃん先生」。ほんとに丸坊主の中学生らが泣きそうな勢いで
もうハーモニーなんてぐちゃぐちゃで「先生、辞めんでくださいっ!」つって
歌ってるのを見たらまたも涙。クッサイんだけどね〜。

そして、漱石。
浜畑さんだからもー安心して見てられる。鏡子とのズレたやりとりも、イライラ神経症なところも、
自責の念にかられて悩み苦しむ姿も。

最後、小説「坊っちゃん」最後の部分を書き上げるところ。
「〜だから、清の墓は小日向の養源寺にある (ここで脱稿)
・・・大切なのは、何故生きるかじゃない、いかに生きるかだ。」

なんか、小日向の養源寺〜あたりからまた涙がだ〜。
あれだけきっちり悩む姿苦しむ姿を描いているから、心の中の子規に励まされて
悟り、鏡子ともわかりあえるラストが「坊っちゃん」の小説の中で描かれる坊っちゃんの
清に対する愛情と重なってよけい感動的だった。

今回は、私としては納得いった。

 

。。。というわけで、大感動だったわけだが(笑)。
しかし、手放しで大感動しっぱなしでいるか、というと
そうでもないかもしれない。

例えば、その1。
解散後の、プロデュース公演になってからはチケット代が大分高くなった。
まぁ、チケット代にパンフ代がインクルードされてるんだが、パンフはつけなくてもいいから、安くしてくれぃ。
その2。
ちゃんと劇音楽をレコーディングしてCDを販売してるんだが、こんな程度のクオリティのCDをわざわざ
作るんだったらそれにかけるエネルギーを稽古に向けるとか、コストを制作のほうに回すとかしてくれ〜!
しかも、高いんだよこのCD、3500円。

そんで、最大のモンダイは多分、この後、どうすんの?って事だと思う。

今回、私の期待をいい意味で裏切ってくれはしたけど、それは、「現状維持してくれた」ってこと。
私が今回こんなにボロボロ泣いたのは、単に私個人の事情というか、今の自分の置かれた状況とか、
精神状態とかがそうさせた、という部分も大きいように思うのだ。
つまり、決して、「以前よりとっても良くなってた内容に泣かされた」とかいう訳ではない。

今後、「以前よりとっても良くなる」ためには、ど〜するか、「音楽座」としての在り方を含めて考えていかないと
いけないんだと思うね。

大好きだから、頑張って!

 


トリビュート音楽座ミュージカル「星の王子さま‘95」星の王子さま♪

作品についてはこちらを参照。

00.8.9(ソワレ),12(マチネ) 新国立劇場中劇場

STAFF [トリビュートプロダクション] オリジナルプロダクションのスタッフはこちらを参照

演出協力 遠藤吉博 音楽監督・歌唱指導 町田育弥
音響 松本哲志 舞台監督 二瓶剛雄
演出助手 佐藤万里 美術助手 淡路公美子
プロデューサー 高橋正登(TBS) 栗田哲(ホリプロ) 
ゼネラル・プロデューサー 森本仁郎(TBS) 金森美弥子(ホリプロ)
エグゼクティブ・プロデューサー 堀威夫(ホリプロ) 児玉守弘(TBS)

CAST

星の王子さま 茂森あゆみ
飛行士 市村正親
キツネ 戸井勝海
加来陽子
ヘビ 白河直子、菊池久美子
王様 近藤大介
うぬぼれ屋 矢部貴将
呑み助 平野亙
実業屋 青木要
点灯夫 安田栄徳
地理学者 井面猛志
黄花/バオバブ/渡り鳥/砂嵐/バラ 花井利佳子
バオバブ/渡り鳥/砂嵐/バラ 森本麻祐子
バオバブ/渡り鳥/砂嵐/バラ 江部珠代
バオバブ/渡り鳥/砂嵐/バラ 鶴岡れ位子
バオバブ/渡り鳥/砂嵐/バラ 相沢まどか
バオバブ/渡り鳥/砂嵐/バラ 池上愛

 

。結局、1Fも後の方は席が埋まらないまま幕が開く。

序曲が流れ出しただけでボロボロ涙を流すわし。だめだー。
どうやら結構、かなり、疲れているらしい。

飛行士、市村正親。さすがベテランで安心して見てられるんだけど、なんか
イメージ違うよ。んー。飛行士にはもっと、気難しく、親しみにくい男でいて欲しかった。

王子、茂森あゆみ。「ひつじの絵を描いて!」の第一声にかなりびっくり。
今までに見た土居さん・今津さんの王子に比べると、かなり「人間の少年」。
年齢が少し上な感じ(比べてもしょうがないけど)。
そもそも宇宙人(?)である王子にそんな人間っぽい感じや年齢を漂わせちゃっていいのか!?
動きや演技も、なんというか、細かいところまで行き届いてないっつーか。大味。つまり下手。
歌はさすがに歌のおねえさん。私はわりと好きな声だった。

花。加来陽子。もっと花には美しく気高く孤独であって欲しかった。

キツネ。98年の時(福原一生)より良かったと思うが?比べても意味ないか・・・。

難しいな。
しかし、歌、いっしょに歌っちゃえるくらいこの作品の音楽が大好きな私は、
音楽だけでも涙した。

あゆみお姉さんのおかげで小さい子供がいっぱい来ていたのは・・・どうなんだろう。
彼らの大部分はきっとあれだけの時間舞台に集中するのはまだ無理だろう。
しかし、しかしだ。
インタミの時私の後ろの席のカジュアル系デブのおばさん(30代後半くらい?)が
よく通る声で
「こんな平板な話さー。舞台に向かないよ。もー、眠いったらありゃしないよー。
子供もこれじゃ可哀相だよねー。『子供のためのシェイクスピア』の方がよっぽど親切だよー、
子供にとっても大人にとっても」
と、ぶーぶー文句をたれていた。
なんか、嫌〜な気分になる。ムカツク。
だって、星の王子さまって、子供向けの話じゃないもんねーだ。子供には難しいよ。
でも、アンタには分からないであろう美しさをこの舞台の中に見つけられる子供は
いるかもしんないよ。理解はできなくても。集中はまだ無理でも。

一方で、終演後「いや〜、なんか純な気持ちになっちゃったよ」と言いながら
席を立った中年男性もいた。

カーテンコールの時の客の拍手に熱があんまりこもっていないのも、まぁしょうがないかな。
妥当な評価だろう。

12。やっぱり9日はかなり疲れてたんだろう。自覚してたよりずっと。
体も心も。序曲からずっと2時間泣きっぱなしってのはやっぱり異常だった。

で、もう1度冷静に観ようと思って、何も考えずに 行く。

またお子様がたくさんいらっしゃっている。席は1F10列26番。

あゆみお姉さんはやっぱり演技下手。笑い声もなんか空笑いだし。

でも。こうして気に入らないところやダメなところを挙げたらほんと、キリがない。
けど、冷静に観たってやっぱり涙は流れるところで流れた。肝心なのは、そこだ。

涙したこと。

欠点を挙げ連ねて、昔観たのと比べることは本当は大切なことではないし、
私のやりたいことではない。批評家じゃないんだし。

「大切なことは目には見えない」し、自分にとって大切なことを忘れずに
心にkeepし続けるのはなかなか難しいのだ。

 

ちょっと複雑に揺れててわかりにくい感想かもしれないけれど、私自身あんまりよく
分からなかったので、しょうがないですな(笑)。
出来に満足はしてないんだけど、どーしよーもなくボロボロ泣けてしまったので、
とってもダメだったと同時に、良かった、というか。
あーでも、泣いたのは個人的事情のせいが大きいかもな(^^;
はぁ。自分の弱さがほんと、嫌になる。強くなりたいなー。

ま、とにかく。私はこの作品が大好きだということを再確認したということ。

観に来ていた子供たちの心に、なにか美しいフレーズでも美しい場面でも美しい言葉でも、
かけらが残ればいいなぁ。今は理解できなくてもいいから。と願わずにはいられないのであった。

special thanx to kenn & keita

 


♪メトロに乗って♪

すっかり売れっ子作家・浅田次郎の「地下鉄に乗って」が原作。
主人公がタイムスリップするという、一見SFのようなファンタジーのような設定だが、
実は、昭和を生きぬいた男とその家族の葛藤とアガペーの物語。

メインキャストは今までの音楽座メンバーではなく、元青年座・東宝のミュージカルでも大活躍の石川禅、
元宝塚の(って説明も、もーいっか?)毬谷友子、福麻むつ美、元四季の沢木順。

STORY

小沼真次は女性用下着の小さなメーカーの中年営業マン。
毎日スーツケースに商品をつめて地下鉄に乗り、営業にまわっている。
家族は年老いた母、妻と2人の子供。
会社の同僚であるデザイナーのみち子とは、5年来の不倫関係にあった。

ある日25年振りに高校の同窓会に出席し、帰りに地下鉄のホームで元教師の野平と再会する。
そして、その日が兄 昭一の命日だったことを思い出すのだった。

30年前のその日まだ高校生だった兄・昭一は、父と喧嘩し家を飛び出し、地下鉄へ飛びこみ自殺した。
真次は独裁的で横暴な父に反発し、高校を卒業すると家を出た。
父・小沼佐吉。繊維業界の世界的大企業 小沼グループを一代で築いた人物だ。

野平老人と別れ暗い地下道を歩き外へ出ると、そこは30年前、昭和39年の兄が死んだ日の街並だった。
まだ兄が地下鉄に飛び込むまでには時間がありそうだ。自殺を止められるかもしれない!
真次は混乱しながらも、父と喧嘩して飛び出したはずの兄の姿を必死で探した。
30年振りに見る兄。こんなに華奢な少年だったろうか・・・お兄ちゃん・・・。
自分は親戚の者だと言い、兄を家へ送り届けた真次。これで兄が生きてくれれば・・・

現代に戻ってきた真次。しかし現実は変わっていなかった。やはり兄の自殺を止めることはできなかったのか?

真次はまたも地下鉄を通じてタイムスリップしてしまう。今度は50年前、戦後すぐの闇市。
しかも、みち子も一緒にタイムスリップしてしまった。
真次は「アムール」と名乗る青年に出会い、彼の仕事を手伝うことになる。何故か、胸に熱い思いを感じ・・・

タイムスリップを繰り返す真次とみち子。スリップ先の時代がだんだんと遡って行く。
戦争に出征していく青年を見送る少女に出会うみち子、そしてその青年(=アムール)が地下鉄で出征する
ところに居合わせる真次。そして真次はアムールこそが若き日の父・小沼佐吉であることを知る・・・

 

00.10.28 ル・テアトル銀座

STAFF

原作 浅田次郎
脚本・演出 ワームホールプロジェクト 演出協力 遠藤吉博/徳川清・山口正義
作曲 井上ヨシマサ 作曲・編曲 高田浩
編曲 田中詞崇、金子浩介 音楽監督 高田浩
振付 野坂公夫 美術 朝倉摂
照明 笠原俊幸(沢田オフィス) 音響 実吉英一
衣装 原まさみ 企画 ヒューマンデザイン

CAST

軽部みち子 毬谷友子 小沼真次 石川禅
アムール 沢木順 お時 福麻むつ美
野平 すま けい 貞子 今津朋子
岡村 三谷六九 村松千年 佐藤伸行
トラ 他 宮内理恵 おケイ 渋谷玲子
小沼圭三 他 西原純 ハチ公 他 田澤啓明
小沼節子 浜崎真美 小沼昭一 他 照井悠也
老人 他 五十嵐進 アールヌーボーの女 他 江部珠代
おヨウ 他 小野佳寿子 巡査 他 小笠原家光
少女 他 近藤佑子 バーテンダー 他 小原和彦
亀吉 他 川島豊 肉鍋屋の女 他 清水梨央
アールヌーボーの女 他 隅田亜矢 パンパン 他 坪井美奈子
アールヌーボーの女 他 中村陽子 真次少年 他 俵和也
闇市の女 他 橋本久美 予科練 他 丹宗立峰
社員 他 萩原弘雄 アールヌーボーの女 他 森藤規子
社員 他 安田栄徳 佐吉少年 白澤文晴
佐吉少年 千代将太    

 

席は6列目の真中。といっても1〜3列目はオケピにとられているので実質3列目。
舞台の全体も見えるし役者の顔も見えるし、良い席。

幕開きのdance と音楽の響き方に おー音楽座だー、という感じ。
音楽は全体的に「泣かないで」に雰囲気が近いかも。
(井上ヨシマサ&高田さん だからまーそりゃそうか。)
しかし、こう 一度で耳にこびりついて離れなくなるようなkeyというかhookになるメロディー
がイマイチ・・・。そういうのがほんの1小節でもあれば違ったのになぁ。
サウンドはいかにも高田節で美しいんだから。

ストーリーは現代と過去が交錯し、主人公 真次の家族(主に父親とのrelationを軸に)が
描かれ、そこに愛人みち子がからんでくるという感じでわりと複雑。
しかし、分からないというところはない。というのは、きちんと歌詞が伝わるように
歌っているからだろう。メインキャストの4人の力が歌・演技ともにすごく高いので
“伝わり方”は一級。
脚本や演出としてはちょっと凸凹したとこもあるけど(まぁ、まだ初演だし)
私はキャストの質の高さとセットの素晴らしさに素直に感激してストーリーに
absorbedという感じだったのでもー、
うるうる
アムールの出征を見送る女達の歌で、
だー。地下鉄で征くアムールに、だー
お兄ちゃんの死に、
だー。佐吉少年の健気さに、だー。泣きっぱなし。

ところが涼(妹)は「良かったけど涙は一滴も流れなかった」だって。
アムールが出てきた時点で
「あ、オヤジだな」
お時が出てきた時点で
「あ、みち子の母ちゃんだ」
「あ キーンシーンソーカーンじゃ〜ん}
「5年も誰も食べることのない夕食を作り続けてたなんて、昼メロじゃ〜ん」

と、結構冷静に見ていたらしい。なる程。確かにsoap opera だ。
でもまぁ、人間ドラマの(つーか演劇の)お約束の1つは古代ギリシャの時代から
incest tabooとかだもんね。俗っぽいといやぁまぁそりゃそうだが、演劇ってそういうもんだ。
私はそれでいいと思う。

にしても、石川禅さん。初めて観たが、まー!声量はすごいし演技は繊細。
バクダン飲んでベロベロに酔っ払うサマでダメ男っぷりをうまく表現
(だってそのまま立ってたら背は高いし顔も優しいし、「イイ男」なんだもん)。

毬谷友子さんは、見た目は可愛らしく、ていうか“可愛い女”らしく歌声もステキで
ま〜なんつーか実年齢が○X歳だとは思えないね。女優って(特に宝塚出身の人って)
不思議だわ〜。

沢木順氏はアムールの時や出征のシーンはさすがに オイ、歳とりすぎやって!
って感じもしたけど、それはしょうがないって。若い役者が中年の小沼佐吉を
演じていたらcoverし切れないかもしれないけど、その反対のケースならcoverできる
確立は高いでしょう。役者によるけど。沢木氏はさすがに上手いって。ちょっと濃いけど(^^;

お時さんの福麻むつ美さんのきっぷのいい女っぷり、カッコイイ。

今津朋子ちゃんはまたもやおばあちゃん、そして戦時中のモンペ&みつあみの女工さんなんて
彼女のためにあるような役。カワイかった〜。もちろんカワイイですまされる役ではないので
きっと役作り大変だったろうな〜と想像。すごく役に入りこんじゃいそうだからなー。
とはいえ一番heavyなのは石川&毬谷の二人だろうがね。あれは・・・精神的に辛いよ。きっと。
1ステージで昭和と戦争と戦後を駆け抜けちゃうんだから。しかも家族の確執。

ノブさんとすまけいは、良い。“お兄ちゃん”の照井くん・・・もっとアンサンブルな役で出るのかと
思ってたが、光る良い役。泣かせル〜。

セットは昔の「リトル・プリンス」のような廻り舞台の上にスロープ&階段。
すごくうまく出来てて、使い方も良かった。

もし再演するときはもう少し凸凹をなくすというか・・・どうにかしてほしいかも。
岡村商会での
♪ポジティブ・シンキング がなんか浮いてる感じがするし、
♪神様がくれた人 の盛り上がり方が突然で異様すぎる。
ただでさえ現代と過去をタイムスリップで行ったり来たりの話なのでちぐはぐにならないように
しないとね。あと、1幕と2幕のバランスかなぁ。1幕は長さの割にあんまり話が進まない。

まあ、なんつーか、今の日本文化って流行の先端が10〜20代の若者に媚びすぎているから
どんどん痩せてつまんなくなりそうだけど、そんな中、新作でこういう もっと上の世代まで
楽しめる作品を作るっていうのはすごいことだと、大切なことだと、思う。

いいぞ、音楽座!

メインキャスト4人に今までの音楽座メンバーが入っていないので正直言って不安があったんだけど
テイストは「もろ音楽座!!」。その「クサさ」がたまらないのよ(笑)。質も高い。丁寧に作ってある。
なんていうかね、そういう「作り手の良心」が伝わってくるようなのが好きなんだ。
それは何も演劇に限った話じゃないけど。

ただ、シアターガイド(2001年1月号 p152)のステージギャラリーのコメント
<正直、男の“虫のいい話”的な所はある>っていうのにはちょっと同感。
自分のために己の存在を犠牲にする女、なんて、男のファンタジーだよなぁ。これって浅田次郎味なのかな。
もし男(真次)と女(みち子)の立場が逆だったら、真次は自分を犠牲にするかなぁ???

ま、結局男も女も、「自己犠牲を厭わないほど自分を愛してくれる相手」なんて
憧れるに決まってるんだから。都合のいい女、都合のいい男。ハハハ。人間は自分勝手ってことか。

そんなことは置いといて、是非とも再演すべきだと思いますこれは。してください。ね。