♪夢から醒めた夢♪

赤川次郎の同名小説を原作とした四季のオリジナルミュージカル。
1987年に日生名作劇場ということで、小学校6年対象の招待公演として行われたのが初演。
その後、一般向けに練りなおされて現在まで再演が繰り返されている。

STORY

ピコは不思議なことに憧れる女の子。
夢の配達人と名乗る男に出会い、導かれるままに閉演後の遊園地に入り、
そこでマコという女の子に出会う。
彼女は交通事故で死んでしまった幽霊で、母親にきちんとお別れができなかったことを悩んでいた。
マコは、霊界に旅立つ前に人間界に戻り、立ち直れずにいる母親を元気付けたいと思っており、
ピコに1日だけ入れ替わって欲しいと頼む。
元気で好奇心の強く、またマコを助けたいと思ったピコは彼女の願いを聞き入れ、霊界に行ってみることにした。

霊界空港には新任の役人のエンジェルとデビル、そして
白いパスポートを持った美しい魂の持ち主(老紳士、戦乱などで死んだ子供達)や
生前に罪を犯したり人を悲しませたりしてのでグレーのパスポートを受け、
罪が洗い流されるまで空港で働いている人達(ヤクザ、部長、暴走族、メソ)がいた。
彼らは“光の国”へ旅立つロケットを待っているのだった・・・

00.11.29 四季劇場<秋>

STAFF

原作 赤川次郎 演出 浅利慶太
台本 浅利慶太、奈良和江 作詞 奈良和江、浅利慶太
作曲 三木たかし、宮川彬良 振付 加藤敬二、謝珠栄
照明 吉井澄雄 装置 中川香純、土屋茂昭
衣装 大栗未来    

CAST    

ピコ 保坂知寿、樋口麻美 マコ 木村花代、樋口麻美
マコの母 末次美沙緒 メソ 道口瑞之
デビル 光枝明彦 エンジェル 鈴木涼太
ヤクザ 野中万寿夫 暴走族 坂本剛
部長 広瀬明雄 老人 立岡晃
老婦人 斉藤昭子 夢の配達人 下村尊則
男性アンサンブル 長谷川輝、三宅克典、澤村明仁、大谷健
萩原隆匡、池田勝頼、横沢健司
女性アンサンブル 上村朋子、村井まり子、野村奈美子、大西奈穂
大滝真由美、佐藤知子、白井涼子、山崎ゆみ子
屋の香苗子、真鍋奈津美、宮崎しょうこ

ちなみに私が観たこの日は ピコ:樋口麻美 マコ:木村花代

劇場はクリスマスライトで飾られている。ロビーではパフォーマンスをやっていて
(作品冒頭の遊園地のシーンに登場するアンサンブルの役者がそのままの格好でロビーで
いろんなパフォーマンスをしてくれているのだ)

私は2Fロビーの白いおもちゃの兵隊風の2人のタップショーを見ていた。
いろんなメイクしたピエロみたいな可愛い怪しい役者さんたちがドラムたたいて行進したり、
あっちこっちで大騒ぎ。
なんか、短大かなんかの女の子の団体が来ていてキャーとか騒いで余計に楽しいフンイキ。
ちょっとディズニーランドみたいで、ひとりさみしく来たのに暖かい気分になる。

本編中は ピコが霊界空港へ行き、世界の戦乱で死んだ子供たちが
パスポートコントロールでそれぞれ自分が死んだ理由を歌う場面でボロっと涙した後
ほぼ泣きっぱなしで辛かった。いったん涙が出てしまうと止められないし。
ハナが止まらなくなって息ができなくなるし。あー苦しかったよもーーー。
でもまぁ、泣きっぱなしの割には冷静に観ていた、というか。
なんかこう・・・イマイチ ピコが・・・。そのキャラクターに納得いかないというか、
彼女にうまく自分の心をのっけることができなかった。
健康的で明るくて優しくてちょっと冒険好きなあまりにもNHK教育テレビ的なキャラが
自分とかけはなれているからか?
デビルとエンジェル、ヤクザ、部長、暴走族のキャラクターの造形は面白くて好きだし、
ダンス(遊園地のシーン)はキレイで楽しいし、マコとマコの母の別れなんて
大人がフツウに観る舞台と全く違わない感覚で観られるけど、
ピコの良い子っぷりがどうも小学校の道徳の教材みたいに思えてしまう。
ちっ。汚れちまったぜ、あたしも。

小学生の時に観たかったな〜。それも、低学年の時に。

ピコ、上手かったんだけど・・・。保坂知寿さんのピコだったら、私の感じ方は変わっただろうか・・・??

なーんて言うけどね、もー、アラアラどうしちゃったの私っ?ていうくらい泣いたんだよね(^^;
「私はアフリカの国の内戦で、家族も死んじゃって 私も地雷を踏んで死にました〜」(記憶あやふや)みたいなことを
歌われるともー、涙なしでは。。。アレよ、TBSの「世界ウルルン滞在記」で東ちづるが
ドイツ平和村に行くやつを見ては毎回ボロボロ泣くのと同じ感じ。
で、涙してる自分に酔えればもっと気持ちよかったんだろうけど、鼻水が止まらなくてねー(笑)
でも最後のマコの母はダメ押しで泣かされたなぁ。良かった。

少年の凶悪犯罪が後を絶たず、教育基本法の改正も騒がれる昨今、
こーいうの小学生にみせてあげなよ、と思う。どうですかね?


♪ライオンキング♪

「美女と野獣」に続き、ディズニーが放つミュージカル第2弾。
元はご存知、「ハムレット」を下敷きにした長編アニメ「ライオンキング」。
画が手塚治虫の「ジャングル大帝」のパクリだ!と当時ずいぶん言われましたな、この映画。
しかし舞台版はそんな雰囲気はまったくなし(当たり前)。

98年度のトニー賞受賞作品。演出のジュリー・テイモアがこの作品で女性演出家として初めて
トニー賞を受賞した。

STORY

アフリカの広大なサバンナ。
動物たちの王国 プライドランド は、偉大な獅子王・ムファサに子供・シンバが生まれ、喜びに沸く。
シンバは父の庇護のもとですくすくと成長し、いつかは王になることを無邪気に夢見る子ライオンとなる。
しかし、ムファサの弟・スカーはそれを快く思っていなかった。王位を狙うスカーにとって、
兄も、甥のシンバも邪魔なのだ。

スカーは、好奇心旺盛なシンバを誘って峡谷に置き去りにし、そこへヌーの大群を送り込む。
ムファサが助けに来て危機一髪でシンバは救われるが、ムファサは暴走するヌーの群れに
巻き込まれてしまう。必死で助けを求めて崖を上ってきた兄をスカーは無常にも谷底に
突き落とすのだった。

ムファサの死はお前のせいだ、とスカーに責められ、プライドランドを追い出されたシンバは
イボイノシシのプンバァとミーアキャットのティモンに救われ、
「ハクナマタタ!(くよくよするな)」と励まされる。

プンバァとティモンと一緒に暮らし、やがてシンバが逞しい若者に成長したころ、
スカーがハイエナたちを手下にして治めるプライドランドはすっかり荒廃していた。
美しいメスライオンに成長したナラ(シンバのガールフレンド)はそんなプライドランドに
失望して故郷を出て行く。

そして、シンバとナラは再会する・・・

01.5.3 四季劇場<春>

STAFF

Disney's THE LION KING

Music & Lyrics by Elton John & Tim Rice
Additional Music & Lyrics by Lebo M, Mark Mancina, Jay Rifkin, Julie Taymor, Hanz Zimmer
Book by Roger Allers & Irene Mecchi

Adapted from the screenplay by Irene Mecchi & Jonathan Roberts & Linda Woolverton

Scenic Design : Richard Hudson
Costume Design : Julie Taymor
Lighting Design : Donald Holder
Mask & Puppet Design : Julie Taymor & Michael Curry
Sound Design : Tony Meola
Hair & Makeup Design : Michael Ward
Associate Producers : Ken Denison  Pam Young
Associate Director : Jeff Lee
Associate Choreographer : Aubrey Lynch II
Technical Director : John Tiggeloven
Music Supervisor : Joseph Church
Orchestrators : Robert Elhai  David Metzger
Music Produced for the Stage & Additional Score by Mark Mancina
Associate Music Producer : Robert Elhai
Additional Vocal Score, Vocal Arrangements & Choral Director : Lebo M
Choreography by Garth Fagan

Japanese Director : Keita Asari
Original Broadway Production Directed by Julie Taymor

CAST

ラフィキ 金 志賢 ムファサ 新木啓介
ザズ 雲田隆弘 スカー 深水彰彦
ヤングシンバ 海宝直人 ヤングナラ 平澤優花
シェンジ 首浦真由美 バンザイ 池田英治
エド 富田晃正 ティモン 羽根渕章弘
プンバァ 小林アトム シンバ 阿久津陽一郎
ナラ 樋口麻美 サラビ 山田あけ美
男性アンサンブル 丸山田加賜、才加志実、小原哲夫、横沢健司
福山弘、藤川和彦、布施陽由、四茂野勝都
片山崇志、白石健二、中山大豪、山添功
中島淳治、石野喜一
女性アンサンブル 竹村千穂、井上麻琴、岡聡里、奥田久美子
加藤聖恵、関口三千香、上村朋子、大田美樹
石山智子、村井まり子、井藤湊香、工藤のぶ子

 

開演前、2階のロビーで“まい泉”のサンドイッチ。
やっぱり観劇のお供は まい泉 のカツサンドだわ
春劇場、初めて入ったが、思ったほど大きくない感じ。
秋劇場とそんなに変わらない印象。舞台もわりとコンパクトに見える。
席は1階下手側はじっこ。(1階Q列39番) 横がすぐ車椅子スペース。
はじっこだが、見難い感じはあまりない。

開演。ラフィキのコールに続いて、いつのまにかその車椅子スペースに出てきてた
頭に角つけた動物(オジサン)が舞台に向かってコール。ちょっちびっくり。
客席の通路を通って頭や手に鳥つけた白い女性たちやら、いろんな動物が
たくさん出てきて、その中に多分あれが千穂ちゃん、とゆーのを発見。
(アンサンブルの竹村千穂ちゃん、知り合いなので(^_^))

今 自分が劇場の暗闇の中にいる ということと、African percussion の音と
Chorus の歌声とキャラクターの動物たちの造形のoriginalityにいきなり泣く。
うーーーーーーー。そしてラフィキの歌は
♪Circle of Life だもんな〜。
前日、おじいちゃんの葬式で 死 に触れていたので余計に the circle of life
という言葉が不思議に響く。ほんとに circle なのかもしれない。
ほんとに、巡るのかもしれない。

とにかく今までTVや雑誌で散々ライオンキングで大きく花開いたジュリー・テイモアの
才能・独創性は見てきたけど、動く実物を目の当たりにしてやっぱりすっげーーーー!
と思った。こういうびっくりするような人間の独創性に出会えたりするから
劇場に行くのは楽しい。

しかし、冒頭の Circle of Life の感動が自分の中ではpeak だった・・・(汗)
うぅ〜む。なんでだろうなぁ〜。多分、シンバがあんまり深く苦悩しないから
だろうなぁ。
「いかにもKingになるべき強く優しく賢く勇ましい」というキャラではなく、
「心優しくちょっと気弱なところもあって、ハクナマタータな生活に流される」
というところは好きだけど・・・もちろん、苦悩してるけど・・・
なんつーか心を入れ替えてKingになる決断をするにはもっともっともっと深く
ドロドロに悩んでボロボロになるまで心の中に葛藤があるんじゃなかろうか、
あるはずじゃないのかい?おい、シンバ君よぉ!?と思ってしまうところが
モンダイかしら。
あと、スカーも・・・もっとムファサに対するコンプレックスを見せて欲しい気が・・・。

ザズ、ティモン&プンバァの姿形、というかパペットというか、見た目やつくりは
非常に面白かったけど、期待しすぎたのかセリフや演技がそれほど面白く
感じられなかったのもマイナスか・・・。
東京なのでティモンはてやんでぃ江戸弁、プンバァ
はおネェ言葉なのだが、
うぅ〜ん、たいして効果ない。セリフだけに関しては大阪版とか福岡版のほうが
面白いのかな?
ザズの♪Morning Report う〜ん、あんまり面白くない。
なんか、もっと面白くあるべき曲のような気がするんだけど。

音楽。perc.が入ってるのと、コーラスの歌(あまりビブラートをかけないで
わーーっ て歌う感じ)がAfrican な taste を出してて気持ちいい。
けど、なんだろうなー。もっと、どーんといつまでも頭の中を巡るような
強いメロディーがちょっと少ないかなー。見た目の独創性とインパクトに比べると
ちょっと・・・音楽(演奏や歌唱が、ではなく 作曲された音楽そのもの)の
パワーが下のような気がする。

子役のコたち、思ったより大活躍なんだな。出演シーン多い。
いかにも「ボクはかしこく上手な子役です!」という感じ。
あぶなっかしい感じは全然ない。スゴイな。

シンバ阿久津。デカい。いかにも好青年。うむ。いかにも。
そんなに歌うまい感じではないけどデカイから良しとする。
“お背が高くていらっしゃるから by 黒柳徹子” な気分。
ナラの樋口麻美。「夢醒め」のピコよりこっちの彼女のほうが好き。
ムファサ新木啓介。ふぅ〜ん、四季ではこんな逞しい役をやる人になったんだぁ〜。
プロテインでも飲んでんのかな。音楽座時代は えぐれてる って感じに細い印象
だったけど。でも低音の魅力ってやつですか。イイ感じの父親像であった。

GWということで私の前の列にはお子様たちが数人観に来ていた。
途中インタミがあるとはいえ、やはり長いので退屈しちゃってるご様子。
そうか、こういう子供たちやもっとお年寄とか、そんなに気長じゃない人とか、
すごく色んな人が観るんだ、コレ。ってことは、あんまりにもシンバやスカーの
苦悩が深すぎて暗く長くなってもしょーがないわな。
一応きちんと彼らの苦悩は描かれているわけだから、この作品のまとまり
としてはあれで十分だわな。成る程。

それにしても、それにしても気になった点2つ。

ムファサの死を嘆き悲しむメスライオンたちの「アオォーーーーーー!」
という吼え声と涙の表現。様式美といえばそうなのかもしれないけど
どーしても「ププッ」と笑ってしまう。

成長したシンバとナラが再会した場面の♪Can you feel the love tonight?
に出てくる男女3組のペアダンス。
な、なんだなんなんだありゃ〜〜〜!キモチワルイよ〜!!
なんか毒のある変な虫の交尾みたい〜。すごく浮いてみえるよーキモチワルイよ〜っっっ!
そりゃ野生動物。食う、寝る、子孫を残す、だけどさ〜。象徴的に表現してるんだろうけど、
あのキモチワルい衣装だけでもなんとかならんのかー。毒虫の交尾ーー。

ま、それはおいといて(笑)。やっぱ、ジュリーさんってスゴイ人なのね
ということを確認。そして、この作品の主役はシンバでもムファサでもすかーでもなく、
アンサンブルである!!!と思う。

 

ちょっと長めの日記でしたな。
見た目はホント、すごいですわよ。インドネシアの影絵、日本の文楽などのアジアの演劇の
エッセンスを吸ったテイモア女史の才能爆発。
それに比べるとストーリーは単純だな。

なんてそんなエラそうなこと言っても、やっぱり泣かされている私(笑)。
どうしてもねー、劇場で序曲が流れて“いよいよ開演”っていう瞬間は、
「これからミュージカルを観るんだぁ!」っていう幸せで興奮していることもあり、
泣きがちなんだよね(←ヘンタイ)

私はよく妹を観劇のお供に連れて行くんだけど、今回も母と妹と一緒。
弟は殆ど舞台には興味はない様子だが、実はライオンキングは弟のほうが先に観ていたのだ。
そういうミュージカルなんてものに関心がない人が観ても「面白かった」と言わせてしまうのが
この作品、でしょうな。
ちなみに、弟が観たのは大分前なのだが、「どうだった?アオォーーっつって涙びよ〜んつって
泣いてんの、可笑しくなかった?」とか言って、よほどソレが強く記憶に残っていたらしい(笑)


♪壁抜け男♪

マルセル・エイメの同名小説(1943)を原作としたフランス製ミュージカル。
音楽は「シェルブールの雨傘」の巨匠、ミシェル・ルグラン。

STORY

1947年、戦争も終わり、平穏な日々を取り戻したフランス・パリ。
郵政省の苦情係で働く青年デュティユル。趣味は切手集めとバラの手入れ。
適当に働いて定時にサッサと帰る同僚たちを尻目に彼は今日も真面目に働く。

ある日仕事を終えて一人暮らしの部屋に帰宅すると、デュティユルは突然壁を
通り抜けられるようになってしまった。
自分は狂ってしまったのかと思った彼はあわてて精神科の医師を訪ねる。
しかしアル中の医師は驚くでもなく、意味不明な病名をあげて薬を処方してくれた。
「この症状にはこの薬だけだ。女はいかんぞ。本気で惚れたら命取りになる」と。

壁抜け男になってしまったデュティユルは「普通で平凡な役人の生活に戻りたい」と嘆く。
が、職場の新しい部長に、悪くもないのに頭ごなしに怒られた彼は、壁抜けの力を使って
部長を錯乱させることに成功。
この不思議な力に自信を持ち始めるデュティユル。

彼は壁を抜け、ねずみ小僧(?)のような“正義の悪党”稼業をはじめる。
そして、同じ街に住んでいて、いつも憧れていた薄幸の美しい人妻・イザベルに
自分の存在を知ってもらいたい一心で、銀行の金庫にしのび込んでわざわざ
警察につかまり、マスコミを呼んでくれと頼む・・・

00.6.3 新名古屋ミュージカル劇場

STAFF

LE PASSE-MURAILLE

Une comedie chantee de 
MICHEL LEGRAND
et
DIDIER VAN CAUWEAERT
d'apres la nouvelle de 
MARCEL AYME
(Editions Gallimard)

原作 マルセル・エイメ(ガリマール出版) 音楽 ミシェル・ルグラン
台本 ディディエ・ヴァン・コーヴェレール 翻訳 荻野安奈 中井多津夫
演出 アラン・サックス 演出助手 アニエス・ブーリー
音楽アドバイザー パトリス・ペリエラス 装置 ギー・クロード・フランソワ
装置助手 シャルル・シュヴァクシナ 衣装 ガブリエル・デュ・リヴォー
証明 フィリップ・キエ 特殊効果 アブドゥル・アラフレッツ
振付 アンヌ・マリー・グロ    
日本語版台本・演出 浅利慶太

CAST    

デュティユル 石丸幹二 イザベル 五東由衣 井料瑠美
部長・検事・刑務所長 青山明 八百屋・娼婦 丹靖子
C氏(公務員)・看守1 小林克人 デュブール医師・警官2・弁護士 喜納兼徳
B氏(公務員)・警官1・囚人・ファシスト 荒木勝 画家 佐野正幸 渋谷智也
M嬢(公務員) 佐和由梨 A婦人(公務員)・共産主義者 横山幸江
乞食・看守2・裁判長 須郷裕介 新聞売り 有賀光一 岩本達典

ちなみに私が観たこの日は イザベル:井料瑠美  画家:渋谷智也  新聞売り:岩本達典

期待してなかったし、あんまり興味もなかったのだが、なかなかどうして。
宣伝文句にあるように
「パリが泣いた!」だの「圧倒的幸福感」だのという大げさなモノ
ではなく、
自然に“にっこり”してしまう感じ。そう、その大げさな宣伝文句がなんだか嫌で
興味わかなかったんだよなぁ・・・
もっと素直に雰囲気を伝えてくれればよかったのに。

ストーリーは何かヘンでおかしいんだけど、まぁ、いいのだそれは。
いきなりデュティユルが壁を通り抜けられるようになり、精神科の医者はそんな症状を
見てちっとも驚かない。変。でも、いいのだそんなことは。

音楽がとてもcharmingで、キレイな曲がいっぱい。
メロディーラインとかコードとかが気が利いてるカンジ。これがパリのエスプリってやつなのか?
そしてそれをたった3人のmusiciansが演ってるところがまたイイ。
豪華にフルオーケストラのついてるミュージカルもいいけど、こういう少人数の演奏のって
音楽座を思い出させるところもあるし、粋。
ピアノとリード類(木管)と木琴鉄琴ベル類。この木琴やベルがすごく効いててイイ。
音楽がとてもキラキラ生き生きする。

石丸幹ちゃんもアームカバーして働く地味で真面目な役人を好演。
壁抜け男になってしまった当初の戸惑いっぷりに誠実で優しいデュティユルの人柄を
にじませる。外見がヒゲ面のショボい男(に作っている)だけに、キャラクターの内面の
魅力をいかに表現するかが大事なとこだもんね。
♪壁抜け賛歌 のハジけて明るい軽やかさ。噂には聞いていたが、
本当に跳ねてるよ、石丸。ピョンピョンはねてるよーー。
あんあ軽やかな石丸幹ちゃん初めて見た。歌声もステップもピョンピョンしとる。

出演する役者は少ないので、脇の人は何役も兼ねたりしているが、少数精鋭で
さすがに面白い。警官とか看守とか。
丹靖子おばちゃんの娼婦、ノドの調子がイマイチなのか、かなり声がかすれていたが、
コトバはすべてはっきり届くし、かえって味が出ていいかも。
そう思わせてしまう存在感はスゴいな。
画家・渋谷。すごくステキなソロ曲がある、頼れる兄貴っぽいいい役。聴かせるぅ。
新聞売りの少年役・岩本達典くんは5月に同役でデビューしたばかり。
ちょっと音程が上気味で、お世辞にも歌は上手いとは言えないが、
朝だよ!新聞だよ!ホットニュースだ、さぁ買った!!
というサワヤカで何より元気がいいのが良い。
というか、たとえ歌が上手くてもfreshnessと元気がなければこの役はできないもんね。
M嬢の
♪受難のマリア もウマイ!面白い!佐和由梨さんって今まで名前も知らなかったけど、
わーこんな人もいるんだー。四季の役者層の厚さを今更ながらに確認。

そしてヒロイン 薄幸の美人妻・イザベル。
井料さんが上手くていい女優さんであることは知ってるけど、このイザベルってキャラは・・・
どうなの?これは役者のせいではなく、脚本のせい、だよね・・・?
なんっていうか、
女としての容姿と能力には恵まれてるけど頭は弱い女の人、って感じ・・・。
女で、大人なのに、妙に幼い感じだったり(斜めに見れば、それも演技?オマエは
「計算マコちゃん」か?とも言えるかも)。

美人で、権力がある夫に束縛されていて、可哀想な若奥さんと街ですれ違えば
普段地味〜な人生を送るデュティユルの目にはとってもまぶしく映るだろうし、
好きになっちゃうのは納得いく。でも、せっかく心根の優しい誠実な愛すべき
小心者の我等が主人公が想いを寄せるヒロインなんだから、もっと人間的に
魅力のあるキャラクターだったらよかったのに。
あんなおバカさんみたいな女じゃなく。なんか薄っぺらいんだよな・・・。

ま、イザベルを差し引いても、思わず、にっこり(^^)。
カーテンコールでは客にも
♪壁抜け男のソロ を一緒に歌わせて、幸せな気分で、幕。
今まで四季を観てきて初めてだったが、マジで1階客席は全員スタンディングオベーション
だった。それだけみんなをにっこりする気持ちにさせた、ということだ。
名古屋のお客さんはいいお客さんだなー、名古屋に来てよかったなー
とキャストは思ったろうが、私も思った。

というわけで、私の名古屋での初めての観劇にたまたま選ばれた四季の「壁抜け男」。
期待してなかっただけに、終わった時「あぁ観てよかった!」と素直に思えたのはすご〜く
嬉しかった(^^)
劇団四季のミュージカルのCDって今まで買ったことなかったんだけど、これは客席を出るなり
迷わず売店で「くださいっ!」って買っちゃったもん。

 

おまけ。

部屋に帰ってご飯を食べながら、買った「壁抜け男」のCDを聴く。

「壁抜け男のソロ」を聴いて、泣く。

僕は普通の、真面目な役人。
平凡だけど人生はそういうもの。
趣味は切手集めとバラの手入れ。
地味だけど、心は暖かく生きていく、それが僕の人生。
(というような内容の歌。)

うわぁぁぁ〜〜〜、デュティユルは、私だ!
私はデュティユルだ!!

私は普通の、真面目な公務員。
ショボいけど人生はそういうもの。
趣味は劇場へ足を運ぶこと。
地味だけど、それが私の人生。

ただ、デュティユルと私が違うのは、私が壁抜け女になったとしても、
壁を抜けて会いに行きたい人はいない、ってことだな(笑)


劇団四季ソング&ダンス OVER THE CENTURY♪

「劇団四季ソング&ダンス」の進化バージョン(?)。
ストーリーはなく、既成曲の歌とダンスでつづっていく bookless musical。
四季のスターダンサー・加藤敬二が振付・演出。
(浅利慶太の手を離れて?いるってとこが、画期的!?)

第1幕 はジャズ・コーナーでスタンダードなジャズナンバーのオンパレード。
続いてディズニー映画主題歌コーナー。
第2幕はさまざまなヒットミュージカルからの曲でつづる。

01.9.8 新名古屋ミュージカル劇場

STAFF

構成・振付・演出 加藤敬二 装置・衣装 大栗未来
照明 紫藤正樹 照明監修 沢田祐二
音楽 鎮守めぐみ 日本語歌詞 松田宏一 劇団四季文芸部
編曲 中川幸太郎 山下康介 ジャズボーカル
アドバイザー
小川俊彦
太鼓指導 西川啓光 指揮 前島康明
演奏 劇団四季ミュージカルオーケストラ 録音エンジニア 伊藤日出男

CAST

ヴォーカルパート 荒川務、明戸信吾、キムスンラ、朴埰奉
濱田めぐみ、早水小夜子、井上ちえ、大平敦子
ダンスパート 加藤敬二、菊池正、遠藤敏彦、脇坂真人
松浦勇治、山口博之、武藤寛、大塚俊
滝沢由佳、坂田加奈子、五辻彩子、遠藤知子
大滝真由美、大石眞由、西村麗子、大西奈穂

    

最初は舞台上のピアノでジャズ弾く導入がオシャレ?でいい感じ?
と思ったが、プロローグのロック調(?)ハレルヤで
「え?ウソ、マジ?
カッコ悪ーーーーー!!

と思ってしまったもんだから、サメてもーた。あぁ・・・。
だって衣装?白黒のポンチョ ビラビラしちゃって
ダセェ
ロック
調ってのも・・・なんじゃいこりゃ!だった。

もちろんダンスはレベル高いと思うし(ダンスに関しては全く分からないから
上手いとも下手とも言いようがない。ある程度以上うまければ「上手い」としか
判断できん)
歌もみんな上手い。でもなんか、舞台に釘付け!って感じが持てずに
シラけたまま最後までいっちゃった。

きっと、加藤敬二ってめちゃめちゃチャーミングな人なんだろうと思う。
それはわかる。それはわかるんだけど・・・

印象に残ったのはディズニーコーナーの ♪OUT THERE(ノートルダムの鐘)
sung by キム スンラ。美しい曲だなぁ。キレイなメロディ、孤独な男の歌に
シンパシーを感じるのはヤバイかね。人は孤独である。
♪A WHOLE NEW WORLD(アラジン)ではE(友人)の結婚式を思い出してしまう。
あぁ〜〜たてぶえクインテット。。。楽しかったなアレ。これもキレイな曲だよな。
アラン・メンケン。

1幕ジャズパート。知ってる曲もあり ♪TAKE THE A TRAIN なんて、うむ、楽しいし。
しかし・・・なぜ今ぱっと思い出せないのだろうか。

2幕は♪MEADOW LARK。歌よかったなぁ。
♪Madame guillotine。変な演出だったけどチェスのコマのタップは面白かった。
でも変。何だよ”政治家の夢”って・・・。

♪Mr. Bojangles・・・出た・・・みんなコレ好きね・・・
歌ってるcowboy style の彼、パンツはウェスタンブーツの中に入れてはイカン。
かっこ悪。

とにかく、私は なんじゃコリャ〜って感じで観てたけど、
名古屋のお客さんは本当にエエ人たちだなぁ。ちゃんと手拍子してくれるし、
スタンディングオベーションしてるし・・・
う〜〜ん、私はコレではスタンディングオベーションできない・・・。むぅ〜。

えー、すんません!記憶には残ってるけど、あんまり印象に残ってない!(笑)
次の日にフォッシー来日公演を観てしまったのも影響してるかも。
いや、フォッシーの方が印象に残ってる、って訳ではなく、両方ともあんまり残ってないのよ・・・(^^;